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映画で使用されたミニチュアや撮影方法等について書いていこうと思います。

ガンヘッドで使用されたミニチュアその1(ガンヘッド)

ガンヘッド初期稿模型

河森氏の初期稿デザインをもとにMAXファクトリーによって20/1のモデルがジオラマセットと共に 製作され、東宝へのプレゼン用に使用されました。この時のデザインは二足歩行型の踵にキャタピラがついて いるような感じで、大きさもボトムズに近いものだったようです。
これを撮影した写真が’88年度の東宝の新作ラインナップパンフに掲載されました。ニュータイプ100% コレクションにも少しだけ載っています。

1/12ガンヘッド

オガワモデリングによって製作され、製作発表記者会見時に展示されたモデル。劇場用特報に使用され、 小説版の表紙にもなっています。

1/24モデル

東宝の特美で作られたFRP製のモデル。全長40cmで、車両用エレベーターのシーン等で使用されたよう です。

1/8モデル

映画で一番多用されたモデル。オガワモデリングによって、 部品を差し替えることによってスタンディングモードと坑道モードの両方の撮影に対応するタイプ、 戦車モード専用、変形撮影用の3種類が製作されました。モーターを内臓しており、自走できるようですが ほとんど使用されなかったようです。

1/3モデル(スーツタイプ)

東宝特美によって製作されました。スタンディングモードの上半身のみで、中に人間が入って操作します。 他のモデルと比べると細部が異なります。冒頭の2台のガンヘッドが併走するシーンで手前を走っているのが 1/3モデルです。

1/1スケールモデル

制作期間半年、9000万円の制作費をかけて製作されました。完成時のサイズは全高5.6m(ウエポンラックまで) 、全長6.9m、全幅5.6m、重量4.5t。ネット上で、バラバラになったパーツが空き地に 放置してある画像を見かけました。最終的には処分されてしまったようです。

このほかにもデザイン検討用、変形機構確認用などいくつかのモデルが作られたようです。これらのモデル が映画撮影後にどうなったかはわかりませんが、ガンヘッドでも過去の映画で使用された銃やミニチュアの 使いまわしがあったようなので、東宝の倉庫に保管されて、別の映画に使用されたりしているかもしれません。
個人的には1/1のノーズがほしかったりしますが。


ガンヘッド以外のミニチュアについて

メリーアン

Bバンガーが乗るB-17を模した垂直離着陸輸送機。全長60cm、翼長80cmでほぼ35/1スケール。ピアノ線による 操演やモーションコントロールカメラによって撮影されました。このほかに内部の撮影用とマザータワー屋上 のシーン用に外見の前半分のみの2つの1/1セットが組まれています。

T.A.R.(テキサス・エア・レンジャース)専用ジェットヘリ

炎上しているワンカットのみの登場ですが、特撮の美術スタッフによってデザインが起こされ、 モデルが製作されています。写真を見る限り、全長は60cmぐらいありそうです。昔の東宝映画の使いまわし だそうです。別デザインですが河森氏のラフデザインも存在します。

エアロボット

全長2m、全幅1.2mの1/8スケール。河森氏のラフデザインは映画よりも生物的で、爪を4本組み合わせて いました。(コミック版に登場したタイプ)これをもとにスタジオOX(オックス)がデザインをおこし、 それらを元にした東宝美術のデザインが決定稿となりました。モーターで自走、ガスシリンダーで各種アクション が可能。本編でもレーザー発射部が可動し、さらに二本の腕を動かしながら自走していましたから、操作も 数人がかりで行われていたようです。

このほかにも映画にはロボコーラ・知性地雷・381階のレーザー砲台(?)などが登場しますが、 デザイン画以外には特にまとまった情報を得られていません。


銃器・衣装デザイン

銃器設定

Bバンガーのメンバーが使用する銃は、基本的に現代の銃をそのまま、あるいは一部改造したデザインが使用されています。当初鈴木雅久氏が提出した銃器デザインは、ステージガンやモデルガンが存在しなかったため没になり、そこで大量のステージガンを集めてそのなかからイメージに合うものを選び、鈴木氏が改造案をまとめるという形になったようです。

金曜深夜に持ち上がった「GUNHED」の設定裏話 http://togetter.com/li/21222

衣装設定

登場人物の衣装はデザイナーの吉田十紀人氏が行っています。いくつかの本にデザイン画が掲載されていますが、ここでは「ニュータイプ100%」の紹介文を引用しておきます。

<ブルックリン>
主役の特権で、ブルックリンだけが映画の中で3回コスチュームが変わる(といっても、上着を脱ぐだけ)。ジャンパーは、ライダーステンペェット。バンチョーにあこがれ、その着こなしを、若さとさわやかさでアレンジしている。コートは、軍の払い下げ品という設定とのこと
<セブン・イレブン>
ふたりが着ているのはサイボテック・コーポレーションの制服。セブンのマスクは、原田監督の注文で付けられた
<ブーメラン>
シャネルのブレスレットに、エルメスのスカーフといった具合に、全身ブランド品の女の子
<ベベ・ボクサー>
戦闘プロフェッショナルの彼らには、アクセサリーは必要ない。銃器が装飾品なのだ。
<バンチョー>
ミッキー氏のキャラクターを生かし、ヒッピー+エスニックでまとめられた。ポイントはサッシュベルト
<バラバ・ボンベイ>
ボンベイはファッションより物欲。バラバは肉体そのものがファッションだ
<ニム>
ニムの服だけは、軍の支給品ゆえに、唯一近未来を意識したデザインになっている

吉田氏は現在独自のブランド「TO KI TO」を展開しているようです。
http://www.tokito.co.jp/index.html




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